「あ、あの!これ!もしお口に合えば!」

「……あぁ。貰っておく」


女子生徒がリボンに包まれた箱を差し出してきた。

中身は菓子らしい。

誰が食うか、こんな安モン。

だが、親の顔に泥を塗るような真似は出来ない。

俺は外用の笑顔で市販の菓子を受け取った。

後で蝶野に処分してもらうか……


「あ、ありがとうございます!!」

「私も!!」

「貰ってくださーい!!」


次から次へと生徒が俺への貢ぎ物を渡そうとする。

花束、アクセサリー類、ラブレターらしきものまで……

金とこの外見のせいで、完全に芸能人扱いになってるな、俺。

面倒なので全部蝶野と真吹に任せて、俺は先に進んだ。

このままだと時間内に教室へ行けない。

怒られないとは言え、規則は規則だ。守らなければ。