今日から本格的に使用人の仕事をさせたいんだが……

大声で起こすのもなんだしな……


「小紺」


くせっ毛を別けて、試しに耳元で下の名前を呼んでみた。

ふふん、これならビックリして起きるだろ!


「!!」


市木はガバッと身を起こしてベッドから落ちるように降りた。

やっと起きたか。


「ほら、今日は学校についていってもらうから、支度し……」


え?

なんで顔真っ赤なんだ?


「時流様〜、市木様〜……じゃなかった、今日から本格的に使用人としてお仕事するからお客様扱いじゃないんでしたね。市木さんって呼ばなきゃ。まぁ何でもいっか。朝ご飯ご用意出来ましたよ〜」


タイミング良く、いや、悪くか?真吹がやって来た。

真吹はベッドの上でまだ呆然としてる俺と、床にへたりこんで顔を真っ赤にしてる市木を見て、理解したように口元に手を当てた。

「……あらま」