けど……嫌だな。

『死ぬ』の。



私は背後のテーブルに置かれた包丁を持つ。



―――『死ぬ』方法は、相手の首を締めるだけじゃない。



私は気づかれないように女の後ろに両手を回し、包丁を構える。



―――心臓があるのは、真ん中辺り、若干左より。



ゆっくりと刃先を女の背中に付けた。



―――ここかな。



そのまま、包丁ごと女を抱き締めるように手と腕に力を入れる。

ズブっという音とともに、両手が不思議な感触に襲われる。


『……!……!!!!』


女が声にならない声をあげて倒れ、もがいた。