せっかく使用人になったというのに、ご主人様をお守りできないなんて…… とりあえず今はこのまま従おう。 感情のままに動いても仕方ない。 ……感情? そう言えばいつの間にか、私の中に時流様を守りたいって気持ちがしっかり根付いてる。 凍ってた心臓が春の雪解けみたいに温かみを帯びていくのを感じられる。 不謹慎ね。 こんな時に少しだけ嬉しいと感じてしまうなんて。 私は小薗江さんに連れられるまま、廃ビルへと入っていった。