あいつにあまり感情が無い事を、この時だけ良かったと思えた。


「と、とにかく追いかけましょう!!蝶野さん、運転手交代します!!私の運転だったらすぐn」

「真吹は引っ込んでいなさい!ここは日本ですよ!私が運転しますから!!死人出す気ですかアンタ!!」


慌ててメイド服のポケットからから車のキーを出そうとする真吹をもぎゅっと静止させ、蝶野が前に出た。

真吹の運転する車には乗った事が無いが、蝶野の焦り具合からすると日本の道路交通法をガン無視した運転なんだろう。


「とにかく、手がかりが少ないんだ、早く行くぞ!」


俺の指示と同時に、車は加速した。