「東雲くん、飴食べます?」 ふとポケットの中に飴を入れて持ち運んでいたことを思い出してポケットの中身を漁る。 「何味?」 「イチゴとレモンがあったはずです」 私がそう言いながら何個か飴を取り出して差し出すと、東雲くんは涙を引っ込めてうんうんと唸っていた。 「イチゴ」 「どうぞ」 私から飴を受け取ると、東雲くんは無言で包装を剥がして赤い宝石みたいな色のそれを口の中に押し込んだ。 コロコロと口の中で飴を転がす音が聞こえて私は小さく笑った。 東雲くんは真っ赤な鼻をすん、と小さく揺らす。