私のご主人様Ⅲ


徐々に目を覚ましたのか、身を起こそうとした琴音は顔を歪めて動けずに終わる。

俺を見た目は、絶望も恐怖もしていない。むしろどこか安心したような目をしていた。

「…起きれねぇのか」

「…コク」

「ならそのままでいい。質問に答えろ」

琴音の右手を布団から出し、タブレットの上に置く。

「どうして舛田と接触した。俺は無視しろと言ったはずだ。なぜ破った」

「…」

琴音の表情に一瞬迷いが見えたような気がしたが、すぐに視線を逸らされる。

こいつ、言わずに済むと思ってるのか。

頬に手を当てるとすぐに視線は重なるが、言わないと言うように口は固く閉じられたままだ。

「琴音、言わねぇなら容赦しねぇ。奴隷にするぞ」

「…」

「お前が口を開くまで、閉じ込めるか?水も飲ませねぇ」

「…」

「…おい、脅してんだぞ。反応しろ」

普通なら聞いて恐怖するはず。なのに琴音の顔はピクリとも表情を見せない。

タブレットの上に乗せても動かそうとしねぇ。