翌日の昼休み。
図書館の準備室を訪れた私を待っていたのは、やけに不機嫌な舛田の姿だった。
「なぁ、聞いてたことと違うんだけど?」
「…」
「昨日の巡回部隊は、4人1組の班が2班、繁華街を回るんだったよな」
昨日、吐いた情報を繰り返される。
舛田は机から降り、私の目の前に来ると、私の背後の壁に手をつく。
「実際にはもう2班が隠れてたようなんだけど?ガセ情報流してんじゃねぇよ」
「…」
「帰りたいんだろ?なら、ちゃんとやれ。何のために録音機を渡してると思ってる」
離れ際、ケータイを投げ渡される。
永塚組から渡されているケータイは使えないからと、情報を渡すときにはこうやって舛田のケータイを渡される。
彼が、普段から使っている私用のケータイをだ。
それに打ち込んで画面を見せる。引ったくられるように取られたそれを見つめる舛田は、舌打ちをしてまた投げ渡してくる。


