私のご主人様Ⅲ


「…奏多」

「はい?」

「お前さ、後悔してないか?」

「…後悔なんか、どれだけしたって尽きませんよ」

苦笑が勝手に浮かぶ。

どれだけ悔やんだってなにも解決しない。ただ自分を追い込んで、後悔の波に襲われるだけ。

だから、これは後悔しないためにすること。それだけだ。

信洋さんは悪いとこぼすと顔をあげて笑う。

「久しぶりのここちゃん見て、鼻の下伸ばすなよ?」

「伸ばしませんよ。琴音ちゃんは俺の妹ですから」

「…シスコン」

「殴っていいですか」

「俺も1発いいっすか?」

いつの間にか戻ってきた暁も俺に参戦。信洋さんは暴力はんたーいと白旗を上げた。