私のご主人様Ⅲ


「宮内琴葉ちゃん」

「ッ!!?」

久しぶりに呼ばれたフルネームに動きが止まる。

ゆっくりと視線を向けると、笑みを浮かべた舛田と視線が重なる。

どうして、この人が知ってるの?

どうして、名前を…。

じっと見つめていると、舛田は近付いてくる。

動くことも出来ないまま、目の前に来た舛田は手を伸ばしてくる。

「ちょっと話さない?ね、琴葉チャン」

掴んでいたドアノブを取られ、僅かに開いていたドアは完全に閉じられる。

薄暗い部屋のなかで舛田がニヤリと広角をあげたのが分かった。