「若、ここちゃんに話してみたら?…警戒の意味も入れてさ」 「…」 信洋の提案に手を握り込む。 巻き込みたくはねぇ。だが、もし、その時が来てしまったら…。 話すべきだ。俺たちの過去を。なぜ、組を捨てたのかを。 抗争が始まることを。 顔を上げる。守るべきものを守るため。今度こそ、失わないために。 ケリをつける。 親父の部屋に向かう。 これからのことを話し合い、夜は更けていった。 季龍side end