「…信洋、学校を洗え。奴に繋がりを持った奴がいる」

「だろうね。…ここちゃんとお嬢には悪いけどしばらくまたおやすみかな」

信洋も同じ想定にたどり着いたのか、返事はすぐだった。

安全だったはずの学校が、1番の脅威の元になってやがる。

前も、今回も、学校という盲点が事件を引き起こしている。もう繰り返させねぇ。もう、琴音を巻き込むことだけは避けなければ。

立ち上がる。琴音を守るためにも、俺は枕元で琴音が目を覚ますのを待つべきではない。

一刻も早く動き、奴らより先に動かなければ。

「暁、奏多。琴音が目を覚ましたら報告しろ。毒が入った原因をつきとめる」

「「はい」」

「平沢、琴音に付け。決して1人きりにさせる時間を作るな」

「承知」

眠ったままの琴音の顔を見て、部屋を出る。

付いてきた信洋も珍しくやる気を出しているようだ。