「おかえりなさい」

「学校お疲れさん」

屋敷に戻ると、奏多さんと暁くん、平沢さんが出迎えてくれる。

季龍さんと繋いだままの手に、平沢さんがニヤリとする。

「なんだ、なんだ。青いなぁ」

「あ?」

「でしょー?若ったら車の中でもここちゃん離さねぇの」

「っ信洋!」

「きゃぁぁあああ!!お兄ちゃん本当!?本当に本当!?」

どこからともなく現れた信洋さんと梨々香ちゃんの声で賑やかになる。

信洋さんなら1発殴ってたと思うけど、梨々香ちゃんには強く当たれない季龍さんはため息をついて、聞き流してる。

「ねぇ、ちゅーした?ちゅーした?」

「梨々香、うるせぇ」

「えー!したの?したんだ!?きゃぁぁあああ!!!」

「ひゅー♪若、手早いんだから」

梨々香ちゃんと信洋さんにからかわれている季龍さんは珍しくて、思わず笑ってしまう。

すると、気づいた季龍さんに小突かれてしまった。