なにやってるんだ。

ダメだ。こんなんじゃ、ダメだ。

主にそんなこと思わせる使用人じゃ…。

捨てられる。あの闇に戻される。あの狂った場所に、売られてしまう。

もう、私に価値なんか、ないんだ。

どこで間違えたんだろう。どこで、季龍さんを失墜させたんだろう。

私は、なんで…。

「……………………………………………………」

遠くから音が聞こえる。

でも、何を言われているのかさっぱり分からない。

「ッ……………!!!」

「………………!!」

「…………っ!!…………!!」

ワカラナイ。ナニモ、ワカリタクナイ…。

暗くなっていく視界。目の前で何かを叫ぶ誰かの顔。その輪郭はぼやけて黒く染まっていった。