私のご主人様Ⅲ


車から出てきた2人に駆け寄った勢いのまま抱きつくと、しっかり受け止めてくれた。

「おかえり。琴音ちゃん」

「お前、子どもかよ」

奏多さんと暁くんが2人とも迎えに来てくれるなんて、初めてだ。

嬉しくて抱きついたままでいると、帰るよと言われ、さりげなく離された。

車に乗り込むと、運転手さんは森末さんで、おかえりなさいと笑って迎えてくれた。

後部座席に奏多さんと暁くんに挟まれた形で座ると、車は動き出す。

…それにしても、どうして2人ともわざわざ来てくれたんだろう。

季龍さんが学校を休むようになってからは森末さんが送迎してくれていたけど、2人がついてくることなんてなかったのに。

交互に2人の顔を見つめていると、奏多さんが笑った。

「どうしたの?」

「…め、ず………らし…ぃ」

「珍しい?…あぁ、俺と暁がいるから?」

「コクコク」