私のご主人様Ⅲ


無情にも時間は過ぎていく。

暁くんの反対をおして夕食を作り、いつも通り時間が過ぎる。

ただ、想定されていた変化は早々に訪れる。

「なんかねみぃ…」

「駆け回ってたからか?」

「ふわぁ…」

夕食を終えた辺りで多数の人が目を擦ったり、あくびを始める。一見異様な光景に見えたけど、眠気のお陰か誰もその事を指摘しない。

「琴音、さっさと風呂入ってこい」

「シャワーだけでもいいから。すっきりしておいで」

暁くんと奏多さんも平気そうな顔はしているけど、気を張っているようにようにも見えた。

言われた通りにお風呂に入ったはいいものの、部屋に戻ると暁くんも奏多さんも座り込んで眠っていた。

一応確認で暁くんの頬を引っ張ったり、奏多さんの肩を揺さぶってみたけど起きる気配がない。

他の部屋も回ってみたけど、誰も起きていない。この静寂が怖い。

この静寂が打ち破られてしまう。その引き金は私だ。