カランカラン……
「いらっしゃいませ」
「ただいま」
「琉衣か。おかえり
……あれ?シエルは……?」
「帰ってる途中に見た野良猫と戯れてる」
「……そっか」
呆れたように、ラウは微笑んだ。
でも、私の方を見ると、そっと眉毛を八の字にした。
「なんだか琉衣……沈んだ様子だけど、何かあった?」
メガネの奥で、優しく静かに微笑むラウ。
「……うん、まぁ」
「そっか……
あ、琉衣。今パウンドケーキ焼いてるんだけど
今日は仕事なかったはずだから食べてけば?」
「ん……そうする」
死神は、私の居場所。
そう、安心しきってしまうほどに、居心地がいいんだ。
それはきっと、
ただいまって言うと、おかえりって返してくれる人が居て。
ラウが私たちを迎え入れてくれるから。
私は琉羽に隠し事はできない。
……させてくれない。
でも、ラウは……死神のみんなは……
いくらでもしていいと言う。
皆それぞれ人に見せたくないものを抱えているから。
だからこそ、みんなには隠し事はしたくない。
むしろ、みんなと共有したいと、思ってしまう。

