眠たい王女様は夢うつつに現実をみるⅡ






カランカラン……



「いらっしゃいませ」

「ただいま」



「琉衣か。おかえり


……あれ?シエルは……?」


「帰ってる途中に見た野良猫と戯れてる」


「……そっか」


呆れたように、ラウは微笑んだ。

でも、私の方を見ると、そっと眉毛を八の字にした。




「なんだか琉衣……沈んだ様子だけど、何かあった?」



メガネの奥で、優しく静かに微笑むラウ。


「……うん、まぁ」


「そっか……



あ、琉衣。今パウンドケーキ焼いてるんだけど


今日は仕事なかったはずだから食べてけば?」





「ん……そうする」














死神は、私の居場所。



そう、安心しきってしまうほどに、居心地がいいんだ。


それはきっと、


ただいまって言うと、おかえりって返してくれる人が居て。


ラウが私たちを迎え入れてくれるから。



私は琉羽に隠し事はできない。


……させてくれない。



でも、ラウは……死神のみんなは……


いくらでもしていいと言う。


皆それぞれ人に見せたくないものを抱えているから。



だからこそ、みんなには隠し事はしたくない。


むしろ、みんなと共有したいと、思ってしまう。