大きな大きな傷を負った
片方の翼を切り落としてしまえば
その傷は膿むこともなければ
じくじくとそこからまわる感染病に
苦しむ必要もない。
けれど、
どうしてもその道を選ぶには
片方の翼だけで飛ぶのは
あまりに私には冒険で
怖かった。
ならば、共倒れでも、なんでも、
最期まで……
一人ではなく二人で。
だって。
私にはそれ以外の道はわからない。
私には
それ以外の選択肢はないと思っていたから。
……でも。
……でももし、仮に。
……私の片方しかない翼を支えてくれる
あたたかで、真っ白で大きな翼が
私の隣に現れてしまったら
私は……受け入れてしまうだろう。
けれどそうしたら、
可哀想な傷ついた片割れは
誰と共にいればいい?
誰が彼を支えてくれる?
彼には、琉羽には……私しかいないから。
彼は一人ぼっちに耐えることは出来ないから。
彼は、壊れてしまう。
私しか、居場所を与えてあげることはできない。
壊れてしまったけれど、それでも琉羽を
愛しているから。
そう、愛しているの。
愚かで愛おしい弟を。

