死神執事と、トラブルメーカーな私の話

下を見ずに、前だけを見て歩く。

一つの画鋲が右足の裏に突き刺さった。


「ーーーーっ!!」


痛みに鳥肌が立つ。

漏れそうになった声を押しとどめ、飲み込む。


立ち止まりそうになる足を無理矢理動かし、哨は歩き続けた。



表情を顔に出してはいけない。

何があってもいつも通りに振舞わなければならない。

それは幼い頃から強要されてきたこと。