死神執事と、トラブルメーカーな私の話

「・・・・・・哨」


そっと呼びかけてみる。

が、反応はない。


目を開けて耳をすますと、規則正しい呼吸音が聞こえた。

小さな肩もそれに合わせて上下している。


(ーー寝たのか)


右手を動かし、哨の顔にかかっている髪を耳に掻き上げ、寝顔を確認する。


黒髪の下は、普段と打って変わって、まるで邪気の無い綺麗な寝顔だった。