死神執事と、トラブルメーカーな私の話

「っ!!……」



抱きしめた瞬間、哨が息を呑み体を固まらせる。



「…泣くなよ」


細い体を抱きしめたまま、哨がちゃんと理解できるように、耳元で低く囁く。


「謝んなくていいから。
……あんたが悪いわけじゃない」


指先に哨の体温が伝わる。


ほのかに甘い匂いが鼻腔をかすめた。



哨は動きを止めたまま、何も言わない。