死神執事と、トラブルメーカーな私の話

声をかけるが反応はない。


静かな部屋に哨の荒い息遣いだけが響く。


「……哨、」

顔にかかる髪をかき上げようと手を伸ばす。



「ーーいやっ!!」


髪に指先が触れた瞬間、その手がはらわれた。

「ごめんなさい、ごめんなさい…!!」


震える体を抱きしめ、怯えたように肢体を丸めた哨の口から、うわ言のように言葉が漏れる。