「画鋲の針って人の体に突き刺さるものなのね。初めて知ったわ」

「・・・・・・尖ってるからな。当たり前だろ、人の体は脆いんだから」 

足に包帯を巻きながら、呑気な感想に突っ込みを入れる。

「まあ、そうだけど。・・・少し意外だったわ」


まるで他人事のように話す声。

緊迫感のない声に若干苛立ちを覚える。


「ーーなあ、あんたさ」

処置し終わった足を膝から下ろし、ハロスはうつ伏せになっている哨の顔の近くに手をついた。