「じゃあ、俺行くね。ありがとう」

「いいえ。・・・・・・気をつけて」

軽く頭を下げて、悠は背中を向けた。

悠の姿が曲がり角の向こうに消えると、私は一つ息をついた。


「・・・『呪い子」って、何?」

ハロスが私を横目に見る。

「・・・・・・・・・あなたは知らなくていいことよ」

「じゃあ、あんたが有名ってのは?金持ちってことだけじゃなさそうだったよな」

「・・・・・・・・・」

私が黙っていると、ハロスは私の手首を掴んで引っ張った。