「いいわよ、入って」


「ベッドに座れ。今日はもう立つの禁止。足に力を入れるな」


哨の声で扉を開けてすぐ、床に立っていた主人を見たハロスは即座に断固とした口調で言い放つ。

哨は苦笑し、ベッドのふちに座った。

その足元にかがみ、ハロスは哨の怪我している右足を手に取った。


「っーー」


素足を触られて哨の表情に戸惑いが走る。しかしハロスは無表情のまま、哨の右足の甲にできた赤い擦り傷を指でなぞった。