「ありゃ、また怪我でもしたんですか」


「怪我したのは昨日。今日はその傷口が開いた」


車のエンジンをかけながら運転手がした質問に、ハロスが答える。


「じゃあ急いだ方がいいですね」



「「安全運転でね」」


ハロスと哨が声を揃えて言ったのに、運転手は肩をすくめてアクセルに足をかけた。