安堵したのと同時に足の痛みがぶり返す。

姫華に踏まれて傷が開いたのか、ジリジリと焼けつくような痛みが全身を支配する。


ーーああ、もう。


痛みの感覚に切羽詰まるのが嫌で、自分を落ち着かせようと大きくひとつ、息をつく。

こういう時、痛みに全神経が集中してしまいそうになる。そうなるとさらに痛くなるだけだから、どうにかして意識をそらしたいがーー。


「ハロス。何か話して」


「は?」


唐突の哨の要求に、ハロスが眉をしかめる。