「毎回言ってるでしょ。
7時ちょうどに行くと挨拶回りの対応が面倒くさいの。少し過ぎたあたりでちょうどいいわ」


「金持ちの間の挨拶って大事なんじゃねえの?」


「らしいわね」


そう言って、しかし動こうとしない哨にハロスが鼻で笑う。


「・・・あんたのそういうとこ、嫌いじゃねえぜ」


「あら、ありがとう」


「つーか、あんたらいつまでいるんですか。
もう7時過ぎたんですからさっさと行ってくださいよ」


車の運転席に座っていた運転手が振り向き、呆れ顔で言う。