「・・・学校にいるよりは心境的にマシね」


ネックレスの留め具を外し、哨の首にかける。


「けれど行くわ。ここにはいたくない」


「・・・・・・ふうん」


首の後ろで留め具をつけ、両手で髪をまとめて背中に垂らす。

ネックレスが髪の下に消えた。


「じゃあ、また今度だな」

「・・・何が?」


「さて、ね」


黒髪を片手で軽く持ち上げる。

シルバーのネックレスが、白いうなじの上で小さく光った。