一呼吸つき、哨は口を開いた。


「・・・・・・そんなことないわ。自分を中心に考えているから、死神のあなたを執事にしたんだもの」


「それだって、死神だから死なないと思って執事にしたんだろ。
もし何かがあっても、死ぬのがあんただけになるように」


哨が目を見開く。

まさか本当のことを言い当てられるとは思っていなかったのだろう。


しかし、ハロスは一年もの間、哨のそばで彼女だけを見てきたのだ。

哨という人間がどういう思考の持ち主なのか、よくわかっている。