雪の日 ~すれ違う心~

雪が降った日。


いつものように雛子に報告をしたあと、不意に気配を感じて振り向いた。


そこには、まったく感情を見出せない表情の彼女。


彼女は、窓の外を眺める俺を、ずっと見ていたのだ。


無表情の中にあきらめの色を見て、俺は唐突に気づいた。


彼女は、俺の中にまだ雛子がいると思っている。


『雛子の代わり』なんだと、彼女自身が思い込んでいることに。


俺は愕然とした。


俺は、無自覚に彼女を傷つけていたんだ。