神原京香(仮)へのバッシングもおさまり、またもとのおしゃべりに戻ったところで、事態がようやく動き出した。
なんと、教室の前方にあった黒板が光ったのだ──いや、正確には、黒板だと思っていたものは電源が切られた液晶モニターで、それがいきなり始動したのだ。
「わっ」
みんなが一斉にモニターを見る。
そこに映されていたのは、王様──KAIだった。
みんなが息を飲んだ。
『ザーッ…ザッザッ…
諸君…集まってくれてありがとう…クク…』
お前の手下が無理矢理連れてきたんだろうが、と思ったが、勿論声には出さない。
王様の話は続く。
『[GAME]のルールは把握しているな…
まだ嘘だと思っている者もあるかもしれないが…無論嘘ではない…本当に行う…クク…
棄権は赦されないぞ…クククッ…』
『基本は事前に示したルールに沿って行う…
ただ…追加ルールがある…』
誰も何も言わず、王様がまた続ける。
『では…追加ルールの発表だ…』
ジジッ…
画面が切り替わり、バッと真っ暗になった後、引っ掻いたような赤い文字が浮かび上がってきた。

〘追加ルール〙
・夜10時から朝8時は休憩時間として一時休戦とする。寝ても良い。その時間内で寝ている者を襲う、又は起きてる者同士での争いを起こした場合には、監視員が排除する。
・武器と一緒にひとり1本ペットボトルの水を配給する。水については、1日ごとに新しいものを配給。
・食料については、休憩時間中にサンドイッチを1人ずつに一定量配給。他人の分の食料を奪う等の行為は厳禁。