「ーーーでは、紫を基調として、令嬢の美しい瞳の色が映えるように仕上げましょう」
邸の装飾、改装を手がけているという建築士は、いかにもアートを生業にしているだけあって、チョビ髭をはやし、洒脱な雰囲気を漂わせている。
それでいい、とクラウスがうなずく。
フロイラに二言のあろうはずがない。
「腰壁はラヴェンダー色に塗りましょう。額長押の下の壁は、淡い色調で。水色につる草模様をデザインします。こちらの壁にはタペストリーを。
色調を合わせて、ベッドの天蓋のドレープとカーテンとカーペットを。
季節ごとに模様替えされるのも、よろしいかと。
家具は、胡桃材で角のとれた丸みのあるデザインのものを揃えましょう」
聞いていると、頭がクラクラしてくる。
クラウスは鷹揚に「よさそうだな」とうなずいている。
建築士が、スケッチブックにさらさらと描き、簡単に彩色したデザイン画を、フロイラにくれた。
邸の装飾、改装を手がけているという建築士は、いかにもアートを生業にしているだけあって、チョビ髭をはやし、洒脱な雰囲気を漂わせている。
それでいい、とクラウスがうなずく。
フロイラに二言のあろうはずがない。
「腰壁はラヴェンダー色に塗りましょう。額長押の下の壁は、淡い色調で。水色につる草模様をデザインします。こちらの壁にはタペストリーを。
色調を合わせて、ベッドの天蓋のドレープとカーテンとカーペットを。
季節ごとに模様替えされるのも、よろしいかと。
家具は、胡桃材で角のとれた丸みのあるデザインのものを揃えましょう」
聞いていると、頭がクラクラしてくる。
クラウスは鷹揚に「よさそうだな」とうなずいている。
建築士が、スケッチブックにさらさらと描き、簡単に彩色したデザイン画を、フロイラにくれた。



![he said , she said[完結編]](https://www.no-ichigo.jp/img/book-cover/1737557-thumb.jpg?t=20250401005900)