「お年の頃からいえば、もう他家に嫁がれているかもしれませんが。
ルーシャ・・ルシアナ様のお側に仕えたいと・・・」
このひとのために生きたいと、フロイラが心に決めた相手は、男性ではなかった。
「それがお前の生きる望みか」
クラウスの声が険しい響きを帯びる。
はい、とうなずく。嘘はつけない。
「ーーークラウス様から受けた恩義を忘れているわけではありませんが、」
当然だ、とクラウス。
「いるのかどうかも分からない女より、俺のことを考えろ」
はい、と答えるよりほかなかった。
ルーシャ・・ルシアナ様のお側に仕えたいと・・・」
このひとのために生きたいと、フロイラが心に決めた相手は、男性ではなかった。
「それがお前の生きる望みか」
クラウスの声が険しい響きを帯びる。
はい、とうなずく。嘘はつけない。
「ーーークラウス様から受けた恩義を忘れているわけではありませんが、」
当然だ、とクラウス。
「いるのかどうかも分からない女より、俺のことを考えろ」
はい、と答えるよりほかなかった。



![he said , she said[完結編]](https://www.no-ichigo.jp/img/book-cover/1737557-thumb.jpg?t=20250401005900)