冷徹侯爵の籠の鳥~ウブな令嬢は一途な愛に囚われる~

無心に二匹に愛情を注ぐフロイラの姿を見ると、言い出せなかったことだった。

考えが浅かったのは、俺のほうか———

「———あの仔らが成長したら、湖畔地方の領地にある農場に移したらどうかと思っているんだが」

あの仔ら、などという愛情に満ちた言い回しが、自然と出てきたことに、少し驚きながら。

湖畔地方。クラウスとフロイラが出会った、二人にとって大切な場所でもある。

「そこなら、また会いに行けますね」
フロイラが声をはずませる。

ミジビルが群れにとけ込めるといいんですけど・・・と、早くも不安げな表情を浮かべる。

「定期的に様子を知らせるように、はからうさ」

澄んだ空気、思うぞんぶん駆け回れる広い土地、たっぷりの青草、群れる仲間たち。
そんな環境で過ごせることが、二匹にとっての幸せだ。