冷徹侯爵の籠の鳥~ウブな令嬢は一途な愛に囚われる~

フロイラのためと、この風変わりな合いの仔を引き取りながら、彼女の関心がそちらに傾きすぎると、面白くない。
なんとも子どもじみた己の心の動きに、苦く笑うしかない。

しかし、かつての自分だったら———

フロイラの気持ちが自分以外のものに向けられたら、たとえ小鳥一羽でも許さなかっただろう。

「———クラウス様、なにか・・・?」

自分を腕に閉じこめたまま、なにごとか物思いにふける様子のクラウスに、フロイラが不思議そうな顔を向ける。

いや、とあらためてフロイラを抱き寄せる。
「俺も寛容になったものだな」

そうつぶやいて、ふたたびフロイラのくちびるを求めた。