冷徹侯爵の籠の鳥~ウブな令嬢は一途な愛に囚われる~

「ク、クラウス様、ほんとうにドレスはもう十分すぎるぐらいです」

部屋に届けられ、ベッドを占領する衣装箱に、フロイラは目を丸くする。

「どちらかというと、遊び心で作らせた。開けてみろ」

クラウスの言葉に、メイドが二人がかりで蓋を開ける。

あらわれたドレスに、フロイラはまぁ、と目を見はり、思わずクスリと笑みをもらした。

張りのある白いピケの地に、チュール生地をふわりと重ねてある。チュールには白と黒のまるい花模様の刺繍がほどこされている。
ぱっと見には、水玉模様のように映る。そろいのヘッドドレスまで添えられていた。

「それを着れば、あいつともっと仲良くなれるんじゃないか」

「クラウス様、ありがとうございます」
ドレスを手に、フロイラの顔に笑みが広がる。


その日のアフタヌーンティーは、裏の庭でということになり、ミジビルも特別にご相伴にあずかることとなった。

テーブルに白いクロスがかけられ、アフタヌーンティーの席が設けられる。
さすがに幼い頃のように、芝生にクロスを敷いてとはならなかった。