冷徹侯爵の籠の鳥~ウブな令嬢は一途な愛に囚われる~

本来であれば、生まれるはずのない異種間交雑種。

神に抗う存在、などと哲学的な意義を問うほど、神に依って生きてきた覚えはない。

だが、どこかしら不自然で歪に感じられるのは確かだ。
そして、農夫に告げたように生まれた存在に罪などないこともまた。

それでも宿命を負わされる、ただ生まれただけで———

かつての自分を重ねたなどと分析するのは、あまり愉快ではない。
それより、フロイラのためと思うほうがよほど腹に落ちた。

愛情を注ぐ対象ができたことで、フロイラはすっかり生き生きしている。

人の訪れは滅多になく、邸の外に出ることさえあまりない。自分は事業で多忙な身、とフロイラの日常に後ろめたさを覚えなくもないので、ミジビルを連れてきたのは正解だったと実感する日々だった。