冷徹侯爵の籠の鳥~ウブな令嬢は一途な愛に囚われる~

「現にこいつがいるからな。顔はヤギだが、体毛は羊だ」

「なんであっても、可愛らしいものですね」

フロイラが顔をほころばせる。詩人だったら『春が来たような』とでも表現しそうな笑顔だ。

「———使い道がないから、潰されそうだったんでな、貰い受けてきた。風変わりなやつだが、必要なものは他の動物と変わりなさそうだ。温かい寝床と、ミルクと、あと・・・愛情といったところか」

用意いたします、とリュカが応える。

「かわいそうなおチビさん、わたしでもお世話できるかしら」
フロイラはそっと合いの仔の頭を撫でた。