・
きっかけは、些細なことだった。
ある日の午後、家令のリュカは、メイドたちのおしゃべりを小耳にはさんだ。
「ええっ、ほんとなの」
「・・そんなことって・・」
彼女たちの声には、面白がっている様子がにじんでいる。
人付き合いを嫌う主のせいで、ニュースやゴシップのネタにはとぼしいヴィンターハルター侯爵家だ。
「———何か、あったのですか?」
あらリュカ様、とメイドたちは姿勢を正すも、雰囲気は打ちとけたものだ。
「いえね、チーズを届けにきた商人から聞いた話なんですけど・・・」
邸の主、ヴィンターハルター侯爵クラウスの婚約者、フロイラ・ラインハート嬢はチーズが好物だ。
それを知ったクラウスは、商人を使ってあれやこれやと取り寄せている。
きっかけは、些細なことだった。
ある日の午後、家令のリュカは、メイドたちのおしゃべりを小耳にはさんだ。
「ええっ、ほんとなの」
「・・そんなことって・・」
彼女たちの声には、面白がっている様子がにじんでいる。
人付き合いを嫌う主のせいで、ニュースやゴシップのネタにはとぼしいヴィンターハルター侯爵家だ。
「———何か、あったのですか?」
あらリュカ様、とメイドたちは姿勢を正すも、雰囲気は打ちとけたものだ。
「いえね、チーズを届けにきた商人から聞いた話なんですけど・・・」
邸の主、ヴィンターハルター侯爵クラウスの婚約者、フロイラ・ラインハート嬢はチーズが好物だ。
それを知ったクラウスは、商人を使ってあれやこれやと取り寄せている。


![he said , she said[完結編]](https://www.no-ichigo.jp/img/book-cover/1737557-thumb.jpg?t=20250401005900)
![he said , she said[1話のみ]](https://www.no-ichigo.jp/img/book-cover/1740766-thumb.jpg?t=20250404023546)