冷徹侯爵の籠の鳥~ウブな令嬢は一途な愛に囚われる~

「いかがでしょう、ミス・フロイラ、このあいだの話について考えていただけましたでしょうか?」

「このあいだの・・・」

はて彼は、何か言っていただろうか。ルーシャとクラウスが異母兄妹と聞いた衝撃に、それ以外のことは消し飛んでしまった。

「温室を案内していただけませんか、ミス・フロイラ」
リアネルが有無を言わさず、立ち上がる。

「続きは温室でお話ししましょう」

やむなくフロイラも腰を上げる。

「ここにいると、あなたは本当に花の精のように見える。おっと、前にもお話ししましたね」
温室をゆっくり歩きながら、リアネルが目を細めてこちらを見つめる。


「・・・小公爵様はお世辞が上手でいらっしゃいますのね」
礼を失しないようにするのが精一杯だ。

「お世辞などではありませんとも」
リアネルが足を止め、フロイラの手をとった。

「ミス・フロイラ、あらためて申し上げます。
わたしはあなたに心奪われています。あなたをわたしの邸にお迎えし、この鳥籠から解放してさしあげたいのです」