冷徹侯爵の籠の鳥~ウブな令嬢は一途な愛に囚われる~

主も家令もいないのだ。

なぜクラウスの留守に彼が・・・不安と訝しさが入り混じった感情を抱えながら、応接間へと向かう。

「ああ、ミス・フロイラ、お久しぶりです。相変わらずお美しい」
両手を広げて喜びをあらわすように、リアネルがフロイラを迎える。くもりのない笑顔をその甘やかな顔に広げて。

「・・お褒めにあずかりまして、光栄です。小公爵様」

「侯爵殿がご不在とは、これはいかなる巡り合わせでしょうか」

「・・はぁ・・」
どうして彼はここへ・・・?

「ああ、これは失礼。せっかくのお茶が冷めてしまいますね。いただきましょう」

腰をおろし、ティーカップを手にしたところでリアネルが「失礼、クリームをいただけますか」と言い出した。

「ちょっと変わった趣味ですけど、お茶にクリームを落とすのが好きなもので」
にこやかに言う。

「あ、はい」
立ち上がって呼び鈴を鳴らしメイドを呼ぶと、クリームを頼んだ。