「うわ言みたいなことを口走ってないで、ベッドで休め」
ため息まじりにクラウスが告げる。
ときに優しさのほうが腕力より効力を発揮することがある。
フロイラはそれ以上、ごねることはできなくなった。
クラウスはフロイラをうながして立たせると、そのまま軽々と身体を抱き上げた。
「歩けます・・・」
いちおう口にはしたものの、下ろしてくれないだろうとは分かっていた。
そのまま自室のベッドまで連れ戻され、ベッドに横たえられた。
どころか、毛布をあごの下までかけてもらい、申し訳なさにかえって具合が悪くなりそうな心地がする。
主人に世話を焼いてもらうとは、ずいぶんと大切にされる愛玩動物(ペット)もいたものだ。
早く治せ、という彼の言葉に素直に「はい」と返事をした。
またクラウスのことが分からなくなってしまう。
自分が淹れた美味しくもないだろうお茶を、それでも毎日飲み続けてくれていた。
こうしてぐずぐずベッドに伏せっていても、皮肉ひとつ言うでもない。
ため息まじりにクラウスが告げる。
ときに優しさのほうが腕力より効力を発揮することがある。
フロイラはそれ以上、ごねることはできなくなった。
クラウスはフロイラをうながして立たせると、そのまま軽々と身体を抱き上げた。
「歩けます・・・」
いちおう口にはしたものの、下ろしてくれないだろうとは分かっていた。
そのまま自室のベッドまで連れ戻され、ベッドに横たえられた。
どころか、毛布をあごの下までかけてもらい、申し訳なさにかえって具合が悪くなりそうな心地がする。
主人に世話を焼いてもらうとは、ずいぶんと大切にされる愛玩動物(ペット)もいたものだ。
早く治せ、という彼の言葉に素直に「はい」と返事をした。
またクラウスのことが分からなくなってしまう。
自分が淹れた美味しくもないだろうお茶を、それでも毎日飲み続けてくれていた。
こうしてぐずぐずベッドに伏せっていても、皮肉ひとつ言うでもない。



![he said , she said[完結編]](https://www.no-ichigo.jp/img/book-cover/1737557-thumb.jpg?t=20250401005900)