冷徹侯爵の籠の鳥~ウブな令嬢は一途な愛に囚われる~

たしかに、園芸に詳しいわけではないけど、あの芝や木や花壇は、それなりの星霜を経ていると感じられた。長い年月をかけて自然と人間の手入れが結びあってできた、庭園だ。

「あえてつぶす必要もないから、そのままにしているだけだ」
クラウスの言葉はそっけない。

「そんな・・・本当にわたしの記憶の中の庭そのままで、きっとなにかわけが・・・」
彼を見上げて、言い募る。

ぐい、と首の後ろに手をかけられて、引き上げられた。
強い光を宿したクラウスの双眸が近づいてくる。

あぁ、また・・・・

無理やりにふさがれるのか。反射的にくちびるを引き結ぶ。

コツン、ひたいにかすかな衝撃。

えっ・・・?

クラウスが自分のひたいとフロイラのそれとを合わせている。

「・・・フロイラ、やっぱりお前、熱が下がってないだろ」

「あの・・・」

思いがけない行為と、吐息まで感じられる近さに、どうしていいか分からない。