「男が苦手と言いながら、与えられたものには尻尾をふるんだな」
頭の中でなにかが、グワン、グワン、と鳴りたてる。目の前は黒く、呼吸が苦しい。
自分はいまーーー貶められているのだ。
忘れかけていたクラウスへの恐怖心がよみがえる。
「それでは娼婦と変わらない。いや、ごたくを並べず仕事と割り切る娼婦のほうがまだマシだーーーなんとか言ったらどうなんだ?」
なにが言えると?
恐怖と屈辱に、身体はこまかく震えている。だけれど誇りを汚されて、うずくまってばかりではいられない。
立ち上がる勇気が欲しいーーー脳裏にプラチナブロンドの少女を必死で思い浮かべる。
「・・・クラウス様は女性がお嫌いと聞いていたので、わたしはいつの間にか・・・」
どこかで安心していた。いや、油断、だろうか。
勘違いするな、低い声がフロイラの言葉をさえぎる。
頭の中でなにかが、グワン、グワン、と鳴りたてる。目の前は黒く、呼吸が苦しい。
自分はいまーーー貶められているのだ。
忘れかけていたクラウスへの恐怖心がよみがえる。
「それでは娼婦と変わらない。いや、ごたくを並べず仕事と割り切る娼婦のほうがまだマシだーーーなんとか言ったらどうなんだ?」
なにが言えると?
恐怖と屈辱に、身体はこまかく震えている。だけれど誇りを汚されて、うずくまってばかりではいられない。
立ち上がる勇気が欲しいーーー脳裏にプラチナブロンドの少女を必死で思い浮かべる。
「・・・クラウス様は女性がお嫌いと聞いていたので、わたしはいつの間にか・・・」
どこかで安心していた。いや、油断、だろうか。
勘違いするな、低い声がフロイラの言葉をさえぎる。



![he said , she said[完結編]](https://www.no-ichigo.jp/img/book-cover/1737557-thumb.jpg?t=20250401005900)