だがそこで、誰もが仰天する出来事が起こった。
ヴィンターハルター侯爵が、隠し子の存在を告白したのだ。その相手は、なんと奥方のはとこに当たるこれまた身分の軽い女性。
画才があり、女性らしい柔らかなタッチで描く婦人や子どもの絵に定評があった。貴族の邸に滞在しては絵を描き、生計を立てていた。
奥方のはとこという縁もあり、ヴィンターハルター家の絵を手がけたこともある。
「奥方は留守がち、引きこもりがちで、寂しさからよく似た女性に心を移してーーーまぁありがちな話ではありますがね」
突然現れた女性と、11歳になるという少年。
侯爵はその女性と再婚し、息子を正式に嫡男としてヴィンターハルター侯爵家を継がせると、親族に宣言した。
一族は当然嫌疑の目を向けたが、少年を見て黙り込まざるをえなかった。
侯爵に似通った容貌に、まぎれもなくヴィンターハルター家の特徴である複色の髪。
ほどなく侯爵の実子であると認められたものの、再婚し少年を後継者にするために、先代侯爵は多大な犠牲(主に金銭的な)を払うことになった。
ヴィンターハルター侯爵が、隠し子の存在を告白したのだ。その相手は、なんと奥方のはとこに当たるこれまた身分の軽い女性。
画才があり、女性らしい柔らかなタッチで描く婦人や子どもの絵に定評があった。貴族の邸に滞在しては絵を描き、生計を立てていた。
奥方のはとこという縁もあり、ヴィンターハルター家の絵を手がけたこともある。
「奥方は留守がち、引きこもりがちで、寂しさからよく似た女性に心を移してーーーまぁありがちな話ではありますがね」
突然現れた女性と、11歳になるという少年。
侯爵はその女性と再婚し、息子を正式に嫡男としてヴィンターハルター侯爵家を継がせると、親族に宣言した。
一族は当然嫌疑の目を向けたが、少年を見て黙り込まざるをえなかった。
侯爵に似通った容貌に、まぎれもなくヴィンターハルター家の特徴である複色の髪。
ほどなく侯爵の実子であると認められたものの、再婚し少年を後継者にするために、先代侯爵は多大な犠牲(主に金銭的な)を払うことになった。



![he said , she said[完結編]](https://www.no-ichigo.jp/img/book-cover/1737557-thumb.jpg?t=20250401005900)