サンルームでアフタヌーンティーの相手を務めている。

クラウスから「例のお前の幻の女はどんな子どもだったんだ」と水を向けられたから、話したのに。
否定されてばかりでは、面白くない。


庭にきれいな布を広げて、その上に座ってご馳走になったアイスクリーム。
近くの農場でとれた、しぼりたての牛乳にフレッシュな生クリーム、めんどりがその朝に生んだ卵で作ったというアイスクリームは、それはそれはうっとりする美味しさだった。

そのアイスクリームよりも、なお甘美なルーシャとのキスが、夢や幻であるはずないのに。

クラウスはどうしてルーシャのこととなると、底意地の悪い態度になるのか。

それでも意識せずにいられないことがある。
テーブルに用意される、アフタヌーンティーのセットは、いつの間にかフロイラの好物がずらりと並べられるようになった。

薄切りの胡桃入りブレッドにスイートクリームをはさんだサンドウィッチ。巴旦杏のパイ、チーズファッジ・・・

喜ぶべきなのか、それともなにか裏があるのか。