とはいえ、二人で庭で遊んでいるときには、ルーシャが体が弱いと思ったことはなかった。

ルーシャはいつも、フロイラ以上に大胆で好奇心旺盛だったし、かなりお転婆な少女だった。

二人で庭園中を探検して、煉瓦塀と木の幹の間の秘密の隠れ場所を見つけたり。
ツゲの茂みのトンネルのような隙間をくぐってみたり。

木登りをしたがったけれど、靴とドレスのことを考えると、諦めざるをえなかった。
フロイラにしても、スカートやエプロンを破いたり汚しかねない遊びは、むろん厳禁だ。

「男の子はいいわね」
ルーシャはそんなことを口にした。
「ズボンとブーツなら、いくらでも駆け回れるし、木登りだってできるでしょうに」

「でも男の子って意地悪だもの。あたしは嫌い」

フロイラは頬をふくらませる。療養所にいる男の子たちには、意地悪ばかりされるのだ。

「わたしならやり返すわ」
ルーシャは憤慨して言った。

ルーシャならきっと、男の子たちの好きなようになんかさせないだろう。