俺に見つかったのが、運の尽きだ———
そのひとは言った。
「安逸な死など与えてやらん」
自分は浅はかで単純で愚かで幼稚な存在だと、痛烈に突きつけられる。
それは投げ縄のように食い込み、捕らわれ、身動きがとれなくなる。
死よりもなお昏い淵に追いつめられた、そんな心地がした。
そのひとは言った。
「安逸な死など与えてやらん」
自分は浅はかで単純で愚かで幼稚な存在だと、痛烈に突きつけられる。
それは投げ縄のように食い込み、捕らわれ、身動きがとれなくなる。
死よりもなお昏い淵に追いつめられた、そんな心地がした。


![he said , she said[完結編]](https://www.no-ichigo.jp/img/book-cover/1737557-thumb.jpg?t=20250401005900)
![he said , she said[1話のみ]](https://www.no-ichigo.jp/img/book-cover/1740766-thumb.jpg?t=20250404023546)