【完】蜂蜜色のヒーロー。



スマホの画面を立ち上げて、葵とのメッセージのやり取りをスクロールさせて答えると、お母さんは「そう」と微笑んだ。


「明日は早めにお昼ごはんにしよっか」


「わあ、じゃあパスタがいい」


「いいわねえ、久しぶりにパスタにしよっか!」



お母さん、ごめんね。


なんでも相談させてもらってるのに、結局長谷川くんと別れたことしか言わないなんて、薄情な娘にも程があるよね。



なのに、それまでどおり接してくれた挙げ句、そうやって優しくしてくれてありがとう。



お母さんのこと“は”、大好きだよ。